1872 – 1929
創業以来50年間にわたり長々と連なる一流顧客のリストは、20世紀初頭におけるフリッツ・ハンセンの評判が既に高かったことを示しています。フリッツ・ハンセンが家具を手掛けた建造物の一例としては クリスチャンボー城、大学図書館、コペンハーゲン市庁舎、最高裁判所、その他の大規模なプロジェクトがあります。
1930 – 1939
ドイツの機能性の一種を取り入れたシンプルなラインと軽量と実用性重視のデザインはスカンジナビアのスタイルに躍進をもたらしました。フリッツ・ハンセンはデンマーク初のスチール製家具を発表、それと同時にコーア・クリントのデザインによる有名なチャーチチェアが発売され、この椅子は1936年から2004年まで フリッツ・ハンセンのコレクションとして生産されていました。
1940 – 1949
前衛的な建築家ハンス・J・ウェグナーのデザインによるチャイナチェアは、その間に生まれた名品の第一作品と言えます。このチェアには家具作りの職人技が木材に触れて生み出された彫刻美の極みです。それに続いて1945年に発表された名品はボーエ・モーエンセンのデザインによるスポークバックソファです。これは後にデンマーク製を代表するソファとして再販されました。
1950 – 1959
1950年代はアルネ・ヤコブセンとフリッツ・ハンセンのコラボレーションが特に緊密だった時期と言えます。共同開発は1934年に開始しましたが、成形合板ラミネート加工のアリンコチェアの創作により躍進を遂げました。このチェアはその後絶えることのないセブンチェアと、その他の圧力成型式合板製チェアの成功をもたらしました。アリンコチェアは ヴィッツ&モルガードのAXシリーズ並びにラミネート技法と分離可能家具の導入にインスピレーションを得たもので、現在もフリッツ・ハンセンの歴史のマイルストーンとして輝き続けています。
コペンハーゲンのSASロイヤルホテルの委託によりデザインされたクラシックアイテムの名作、エッグチェアとスワンチェアを創造したアルネ・ヤコブセンの存在は、それにも増してさらにまぶしく輝いています。同氏デザインによる3300シリーズの発表によりその名声はさらに高まりました。この間、バチェラーチェアのデザインにより、ヴァーナー・パントンも人気を得ます。しかし、この期間の話題をほぼ独占したのがアルネ・ヤコブセンであったことは明確です。
1960 - 1969
ブルーノ・マテソンとピート・ハインのデザインによる、皆が等しく集えるデモクラティックなテーブル、スパンレッグのスーパー楕円テーブルは フリッツ・ハンセンで大きな成功を遂げた家具シリーズの一つとなりました。同じく成功を遂げたのはボーエ・モーエンセンのスポークソファとハンス・ウェグナーのチャイナチェアです。またアルネ・ヤコブセン作のモデルも強力な人気を示しました。
1970 – 1979
デンマークデザインの前衛的存在のヴァーナー・パントンがアヴァンギャルドのリーダーとなり、フリッツ・ハンセンの作品を刺激かつ啓発しました。同氏の中心的な役割はメディアからの批判を受けます。その後、アルネ・ヤコブセンやその他のクラシックなデザインに回帰する試みが芽生え、数年後に功を奏します。
1980 – 1989
ベラセンターで開催されたファニチャーエキスポ1983や、コペンハーゲンにおける展示会やコンベンションセンターにてごく数点のみ展示されたフリッツ・ハンセンの新モデルは、老舗の当社が再び中心的存在に立ち戻り、デンマークを代表する一流家具メーカーの位置を再確立されたことを示すものとなりました。
フリッツ・ハンセンは、ポール・ケアホルムが1951年から1980年にかけてデザインした、ミニマルなデザインのコレクションの生産の権利を買い取ります。これはKEVIコレクションとムンク・モブラーの買収と共に、フリッツ・ハンセンの販売成績と事業収益を高めました。
1990 – 1999
2000 – 2009
同時に、この期間はクラシックアイテムを維持しつつ、時代に沿った活力を吹き込むことに焦点を当てました。2003年のオックスフォードチェアの復活などがその一例となります。
2010 -
2015年はセブンチェアの60周年、すなわち60年間愛され続けてきた完璧なかたちを祝う重要な年でもありました。フリッツ・ハンセンはまた、フリッツ・ハンセンのデザイン哲学を反映するデンマークの照明ブランド、ライトイヤーズを買収しました。ライトイヤーズの買収のほか、アクセサリー小物コレクション Objects(オブジェクツ)の展開を2016年にスタートさせました。「あなたの生活を際立たせる存在」をキャッチフレーズに、オブジェクツは フリッツ・ハンセンブランドの伝統を継承すると同時に、美しいながら手頃な価格のアクセサリー小物を通じて新たなお客様を招くものとなりました。